コンサート

コンサート解説

イゴール・ストラヴィンスキーは、サイモン・ラトルのお気に入りの作曲家の一人です。そのキャリアの初期からラトルはストラヴィンスキーを重要なレパートリーに位置づけ、ベルリン・フィルの首席指揮者になってからも、定期的にこの作曲家の作品を取り上げてきました。今回の公演で演奏される《ペトルーシュカ》は、第1作目のバレエ《火の鳥》が大成功を収めた直後に書かれた作品です。当初はピアノとオーケストラの協奏曲風作品として構想されましたが、ロシア・バレエ団を率いたディアギレフはこの音楽のポテンシャルの高さを見抜き、ストラヴィンスキーを説得してバレエ曲として書くように説得したと言われています。ストラヴィンスキーは、わら人形の物語を題材に、モンタージュ技法を駆使してロシアの民謡、舞踏曲、流行歌などをまとめ上げ、独自の音楽言語を持つ華麗な作品を生み出しました。

セルゲイ・ラフマニノフの交響曲第3番は、《ペトルーシュカ》とはまったく異なる形で、しかし同様にロシア音楽の伝統に根付いた作品です。ラフマニノフが自身最後となるこの交響曲を書いた1935年から36年は、前作の第2交響曲を書いてからすでに30年近くが経っていた時期に当たります。ロシア革命後にアメリカに移住したラフマニノフは、ピアニストとしてキャリアの絶頂を築いていました。ここではこの作曲家特有の深く濃密な響きをお聴きいただけるでしょう。

両作品の間に、韓国の作曲家ウンスク・チンの新作《コロス・コルドン》が初演されます。こちらは音響的にはよりストラヴィンスキーに近い性格を示しています。なおこのプログラムは、2017年11月の日本公演でも演奏されました。

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