コンサート解説
「ベルリン・フィル12人のチェリストたち」が、創立40周年を迎えました。このアンサンブルは、ベルリン・フィルの室内楽グループのなかでも高い人気を誇る団体ですが、今回はクレンゲル、フォーレ、ドビュッシー、ラヴェル、ピアソラ、モリコーネの曲を取り上げます。
ベルリン・フィル12人のチェリストたちが設立されたきっかけは、1972年にザルツブルクのラジオ・プロデューサーがユリウス・クレンゲル《12のチェロのための賛歌》の演奏を要請したことに遡ります。クレンゲルは、高名なチェロ奏者・教師で、彼の11人の弟子たちのためにこの曲を書き、アルトゥール・ニキシュの65歳の誕生日(1920年)に演奏したのでした。言うまでもなくニキシュは、当時のベルリン・フィルの首席指揮者です。
この演奏会が大成功だったことから、彼らは固定アンサンブルとしての活動を継続。やがて世界的な成功を収めるに至りました。現在では、オリジナル作品からアレンジ、古典作品からジャズ、現代ものまで、きわめて広範なレパートリーを演奏しています。当演奏会では、ベルリン在住のソプラノ、アンネッテ・ダッシュを迎え、華やかにアニヴァーサリーを祝いました。