ドキュメンタリー

概要

ザルツブルク音楽祭でのカラヤンの《オテロ》は、1970年から72年の間に計14回上演されました。ローベルト・ドルンハイムのドキュメンタリー「カラヤン、あるいは私の見る美」でマリス・ヤンソンスはその印象をこう語っています。「それは信じられない演奏でした。私は眠れませんでした。私は夜中じゅう、ザルツブルクの街を歩き回っていました。夢遊病に掛かったようでした」

カラヤンにとっては、ジョン・ヴィッカースは最高のオテロでした。彼はここで、役柄の心理に深く入り込み、神がかり的な演技を見せています。とりわけミレッラ・フレーニのデスデモナとのシーンでは、その迫真ぶりに息を呑まされます。一方フレーニは、可憐かつ清廉な美しさが強い印象を与えます。

ピーター・グロソップのイアーゴは、名ヴェルディ・バリトンが揃っていた70年代初頭としては意外なキャスティングと思われます。しかしカラヤンは、彼の鋭い眼差しと演技上のインテリジェンスを高く評価していたそうです。

装置と衣装は、カラヤンの長年の協力者であるギュンター・シュナイダー=ジームセン、ジョルジュ・ワクヘヴィッチ。音声は1973年3月にベルリン・フィルハーモニーで収録されました。映画館上映された際には、映像と音声の同期に問題があるとされていましたが、今回のHDリマスタリングでは完全に修正されています。

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