コンサート

コンサート解説

チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」は、極めてポピュラーであると同時に、優れた音楽的内容を備えた傑作ですが、初演のソロを受け持ったハンス・フォン・ビューロー(後のベルリン・フィル首席指揮者)は、次のように語っています。「楽想は独創的で、高貴さと力強さに満ち、興味深いディティールを備えている。形式は完璧であり、成熟し、スタイリッシュだ。作曲家の意図が十全に生かされていると言える」。ベルリン・フィルでは今回、ネーメ・ヤルヴィの指揮でアルカディ・ヴォロドスがソロを演奏しました。

ヴォロドスは1997年にソロCDを発表し、世界的キャリアをスタートしました。その3年後にベルリン・フィルにデビューしましたが、この時のラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」はライブ録音されています。その演奏は、英『グラモフォン』誌より「歴史的ピアニストと肩を並べる」と評されました。

この演奏会ではさらに、西ヨーロッパ音楽の影響を受けたロシア作品が演奏されます。リムスキー=コルサコフの《ムラダ》は、当時サンクトペテルブルクで上演された《ニーベルングの指輪》の影響のもとで書かれました。さらにタネーエフの第4交響曲は、バロックの書法を意識して作曲されています。その第2楽章は、ヘンデルの作品のような対位法的書法を見せています。

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