コンサート

コンサート解説

マーラーの交響曲第3番は、交響曲の歴史において真に記念碑的な大作と呼べるでしょう。演奏時間はマーラーの交響曲の中でも最長に属し(約100分)、全6楽章から成ります。1895年から96年の主に夏の期間、マーラーはアッター湖畔のシュタインバッハで集中的に作曲に取り組みました。自然そのものを描いたような雄大な曲想を持っており、96年夏に弟子のブルーノ・ワルターがシュタインバッハを訪れた際、岩山の素晴らしさに見とれているワルターに対しマーラーが「そんなに眺めなくてもいい。あの風景は僕が全部音楽にしてしまったから」と語ったといわれています。アルト独唱の第4楽章、児童合唱と女性合唱が加わる第5楽章にはニーチェの思想の影響が見られ、単なる自然描写に留まらず、その背後にある抽象的な神の存在を意識して書かれたことが伺えます。深い感動にあふれたフィナーレも大きな聴きものです。

本来この公演を指揮するはずだったマリス・ヤンソンスは病気でキャンセルとなり、代わりにグスターボ・ドゥダメルが指揮を務めることになりました。ソリストに登場するのは、ドイツのメゾソプラノ、ゲルヒルト・ロンベルガー。マーラーの前には、英国の作曲家ハリソン・バートウィッスルの《ディナとニックの恋歌》が演奏されています。3つのメロディ楽器とハープのために書かれた、豊かな雰囲気をたたえた5分ほどの小品です。 

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