ドキュメンタリー

概要

ヘルベルト・フォン・カラヤンは天才的な音楽家だっただけでなく、自らの芸術をメディアを用いて配信することにかけて先駆者といえる存在でした。クラシック音楽にとってテレビが持つ計り知れない可能性に気付いた最初の大指揮者だったのです。ゲオルク・ブュボルト監督によるこのドキュメンタリー作品は、カラヤンが1957年のベルリン・フィルとの最初の日本公演でコンサートの映像収録に大きな感銘を受け、そこからこのメディアをいかに自分のものとしていったかを描いています。カラヤンは終生、技術というものに対して興味を抱き続け、テレビの分野においても最新の技術開発を知ることに熱心でした。

カラヤンの目的は、できるだけ多くの人に最善の方法で自分のコンサートを共有することでした。彼は技術的な次元以上に、ビジュアル面に興味を抱き、「コンサートをいかに美しく見せるか」という美的な領域にこだわったのです。例えば、フランス人のアンリ= ジョルジュ・クルーゾー監督との共同作業を通して、やがては自分が映像監督となり、多くの実験を行いました。この映画では、カラヤンがどのような美的な理想を抱いてクラシック音楽の上演を演出したか、特に指揮者としての自己の役割を演出したかを明らかにしています。多くの関係者へのインタビューでは、カラヤンの手法を認める人もいれば、批判的な人もいますが、それでも皆が巨匠との共同作業は魅惑的だったと回想しています。

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