コンサート

コンサート解説

ヨーゼフ・ハイドンの通称「ロンドン交響曲」は、彼の集大成ともいえる作品群です。長年エステルハージ侯爵の楽長を務め、交響曲という当時まだ若いジャンルを開拓し、あらゆる実験を繰り返してきたハイドンが、ヴァイオリニストであり興行主のヨハン・ペーター・ザロモンの招きでロンドンに招かれたのは1791年のこと。彼は2回のイギリス訪問の間に最後の12曲の交響曲を書き上げ、現地の聴衆をその機知とユーモアで魅了したのでした。今回古楽系指揮者として名高いジョヴァンニ・アントニーニが取り上げる交響曲第101番と第103番は、それぞれ《時計》《太鼓連打》という愛称で親しまれている名曲。ハイドンのスペシャリストであるアントニーニは、作曲家の生誕300周年に向けたプロジェクト「ハイドン2032」で、手兵のイル・ジャルディーノ・アルモニコとハイドンの全交響曲を録音している最中だけに、生気とウィットに富んだ名演を聴かせます。

2つの交響曲の間に置かれるのは、モーツァルトのピアノ協奏曲第24番。自身ピアノの名手だったモーツァルトが、1786年に自身の予約音楽会のために作曲した作品です。《フィガロの結婚》と同時期に書かれた協奏曲ですが、こちらは暗く荘厳な雰囲気に貫かれ、ほとんどベートーヴェンを先取りしたかのようです。ソリストのピョートル・アンデルジェフスキは、2005年のベルリン・フィルへのデビューに続いて、今回もモーツァルトのコンチェルトでの登場です。

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