
ラトルの指揮、セラーズの演出でドビュッシーの《ペレアスとメリザンド》を上演

2015年12月20日
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
サー・サイモン・ラトル
マグダレーナ・コジェナー, ベルナルダ・フィンク, クリスティアン・ゲルハーヘル, フランツ=ヨーゼフ・ゼーリヒ, ジェラルド・フィンリー, エリアス・メードラー, ピーター・セラーズ
クロード・ドビュッシー
歌劇《ペレアスとメリザンド》(セミ・ステージ形式上演) (174分)マグダレーナ・コジェナー(メゾソプラノ/メリザンド), ベルナルダ・フィンク(コントラルト/ジュヌヴィエーヴ), クリスティアン・ゲルハーヘル(バリトン/ペレアス), フランツ=ヨーゼフ・ゼーリヒ(バスバリトン/アルケル), ジェラルド・フィンリー(バスバリトン/ゴロー), エリアス・メードラー(ボーイソプラノ/イニョルド), イェルク・シュナイダー(バス/医師), ザシャ・グリンテンカンプ(バスバリトン/牧童), ベルリン放送合唱団, ニコラス・フィンク(合唱指揮), ピーター・セラーズ(演出)
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ピーター・セラーズ(聞き手:サラ・ウィリス) (15分)
ドビュッシーのオペラ《ペレアスとメリザンド》は音楽史を塗り替えた作品と言われています。メーテルリンクの戯曲を元に、ペレアスとメリザンドの禁断の恋を描いたこの叙情劇は、1902年4月30日、パリのオペラ=コミック座で初演されました。この作品には伝統的な意味でのアリアも重唱もありません。初演のリハーサルの際、ドビュッシーは当初書いたオーケストラの間奏曲が舞台の転換のためには短過ぎることがわかると、現在見られる長さに曲を拡張しましたが、その間奏曲さえもが全体の中に有機的に組み込まれています。つまり、ここでの音楽の役割は、聴き手を場面から場面に導くことではなく、歌のテキストが表現しえない内容を明確にすること、なのです。ドビュッシーの念頭にあったのは、「言葉が表現力を失ったところから音楽が始まる表現形式」を作り出すことでした。
サー・サイモン・ラトルは2008年4月、ベルリン国立歌劇場へのデビュー公演で《ペレアスとメリザンド》を指揮していますが、今回満を持して手兵のベルリン・フィルとの公演に臨みました。セミ・ステージ形式の舞台の演出を担当するのは、ピーター・セラーズ。2015/16年シーズン、ベルリン・フィルのアーティスト・イン・レジデンスを務めるセラーズは、これまでバッハのマタイ受難曲(2010年)とヨハネ受難曲(2014年)の演出で大成功を収めています。マグダレーナ・コジェナーとクリスティアン・ゲルハーヘルがタイトルロール、さらにジェラルド・フィンリー(ゴロー)、ベルナルダ・フィンク(ジュネヴィエーヴ)、フランツ=ヨゼフ・ゼーリヒ(アルケル王)という強力な布陣による上演は、シーズンのハイライトの一つと呼べるものです。
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