コンサート

コンサート解説

2015/16シーズンのフランス音楽特集を受けて、サー・サイモン・ラトルがルーセルとラモーの作品を指揮しています。ルーセルの《くもの響宴》は、作曲家がファーブルの《昆虫記》に霊感を受け、印象主義的な筆致で書いたバレエ音楽で、昆虫の小宇宙をアイロニーをこめて人間の生活に反映させています。1913年の初演では大成功を収め、後にルーセルは交響的断章と呼ばれる演奏会用組曲を書きました。今回演奏されたのもこの組曲版です。

ラモーの歌劇《レ・ボレアド》は、作曲家の死の前年、80歳のときに書かれた最後の悲劇。1764年春、パリのオペラ座で予定されていた初演は実現することはなく(楽譜の極端な難しさに原因があったと言われています)、そのまま作品は忘れ去られ、演奏会形式の初演が行われたのは作曲から実に200年後のことでした。ラトルはバーミンガム市響の音楽監督時代から《レ・ボレアド》を愛奏しており、1993年11月にはベルリン・フィルとも初めてこの作品を共演しています。今回はラトルが独自に再構成した組曲版でお届けします。

2つのフランス作品の間に演奏されるのが、シマノフスキのヴァイオリン協奏曲第2番。シマノフスキは、20世紀のポーランドが生んだもっとも創造性豊かな作曲家の一人と呼べるでしょう。やはりポーランド出身のベルリン・フィル第1コンサートマスター、ダニエル・シュタブラヴァがソロを担当。ラトルの伴奏共々、作品への共感豊かな演奏が聴かれます。

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