コンサート

コンサート解説

ベルリン・フィルの常連、アンドリス・ネルソンスが、ベルリン・ムジークフェストの枠でフランス・プログラムを指揮しました。冒頭はドビュッシーの《牧神の午後への前奏曲》。「初めてこの作品を聴いたとき、これこそが音楽だと知った」と他でもないモーリス・ラヴェルは言いました。マラルメの同名の詩に因んだこの極めて色彩豊かな作品は、音楽の近代の扉を開いたのです。初演の指揮をしたギュスターヴ・ドレはこのように回想しています。「指揮台に立って、卓越したフルート奏者のバレール氏が冒頭の旋律を吹き始めたとき、ホールはしんと静まり返った。聴衆が完全に曲のとりこになって聴き入っているのを私はすぐに感じた。大成功だった」。古代の理想郷を想起させるこの音楽は、アンコールにもう一度演奏されることになりました。

続くヴァレーズの《アルカナ》は、16世紀の医学者、哲学者、錬金術師パラケルススへの幻想的なオマージュとして書かれた作品です。《アルカナ》とは「奥義」の意味で、大規模な編成のオーケストラに加えて、打楽器奏者たちの妙技にご注目ください。

メインはベルリオーズの幻想交響曲。初期ロマン派を代表する作品でありながら、今日の耳で聴いても斬新な魅力を放っています。最後の「魔女の夜宴の夢」について、ハインリヒ・ハイネは「風変わりな夜の作品」と呼び、1843年の『一般音楽新聞』ではこう書かれています。「これに比べると、ウェーバーの狼谷の音楽は子守歌とさえ呼べるだろう」。このドラマと色彩感に富んだ作品を、ネルソンスの力感溢れる演奏でお楽しみください。

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