コンサート

コンサート解説

当演奏会は、本来ズービン・メータの指揮で予定されていましたが、健康上の理由によりキャンセルとなりました。代役として、ヴァシリー・ペトレンコが、ベルリン・フィル・デビューを飾りました。プログラムは、メータで予定されていたものが踏襲されます。V・ペトレンコは、ロイヤル・リバプール・フィルの首席指揮者として活躍し、近年ショスタコーヴィチの録音で評価を獲得しています。

1940年にシェーンベルクのヴァイオリン協奏曲が初演された後、ある批評家は「鶏舎で餌を与えている時のような音楽だ」と酷評しました。十二音技法によって書かれたこの作品に拒絶反応を示したのは、聴衆やプレスのみならず、当初この曲を初演すると見られていたヤッシャ・ハイフェッツもそうでした。彼がなぜシェーンベルクに断りの返事をしたのかは明らかになっていませんが(実際に初演のソロを務めたのはルイス・クラスナー)、この作品があらゆる古今のヴァイオリン協奏曲の中でもっとも難易度の高い1曲であることは確かでしょう。今回のソリストであるミヒャエル・バレンボイムは、「早い2倍音、3倍音のフラジオレットを始めとするこの曲の演奏技術の多くは大変前衛的です。しかし、その音楽は極めて表情豊かでエモーショナル。十二音技法の厳格さのみに惑わされるべきではありません」と語ります。父親のダニエル・バレンボイムが設立したウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団でコンサートマスターを務める彼にとっても、今回がベルリン・フィルへのデビューとなりました。

このほか、シューベルトの《ロザムンデ》序曲、ラヴェルの《ラ・ヴァルス》と《ダフニスとクロエ》第2組曲という、オーケストラの多彩な響きをたっぷり味わえるプログラムをお楽しみください。

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