コンサート

コンサート解説

2015年からケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団の首席指揮者を務めるフランソワ=グザヴィエ・ロトが客演します。パリ出身のロトはオルガン奏者だった父親の影響から9歳でフルートを始め、若き頃にパリの交響楽団のメンバーだった時期もあります。ベルリン・フィルに客演するのは2015年のデビューに続いて、今回が2回目になります。

プログラムの中心に置かれているのはドビュッシーの《映像》。〈ジーグ〉〈イベリア〉〈春のロンド〉の3曲は、ニュアンス豊かな響きを特徴とし、旋律を奏でるのは木管と金管楽器にほぼ限定されています。この《映像》の曲間に、リゲティの《ロンターノ》と《アトモスフェール》を挟むという斬新な構成。ミクロポリフォニーという技法で書かれたリゲティの《アトモスフェール》は、その複雑なオーケストレーションは重力の法則を失わせるような効果があり、ピアノ以上の音量になることはほとんどありません。《ロンターノ》も現代音楽の古典と呼べる作品で、絶えず音色が変化し続けます。ストラヴィンスキーの管楽器のための交響曲は、ドビュッシーを追悼するために書かれた作品です。

前半では、カロリン・ヴィトマンが、B・A・ツィンマーマンのヴァイオリン協奏曲を演奏しました。ツィンマーマンは、バーンスタインと同じ1918年生まれで、2018年は生誕100周年。ピストル自殺というショッキングな晩年で知られる一方、その作品は、どの流派にも属さない独創性を斬新さを示しています。このヴァイオリン協奏曲は1949年から50年にかけて書かれ、冒頭の楽章の第2主題はシュスタコーヴィチのグロテスクなスケルツォを想起させます。彼が初めて十二音技法に接近した作品としても重要です。

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