コンサート

コンサート解説

ヘルベルト・ブロムシュテットは、これまでにもベルリン・フィルでブルックナーを数多く取り上げてきましたが、当演奏会ではブルックナーの最もポピュラーな宗教曲である「ミサ曲第3番ヘ短調」を指揮しました。この作品は初演時には、その巨大なオーケストラ編成のゆえに教会からは批判的に迎えられましたが、聴衆からは賞賛を得たと言われます。ヨーロッパでは比較的頻繫に演奏され、ベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」とワーグナー的半音階和声を掛け合わせた作風は、独特の魅力を放っています。ユリアーネ・バンゼ(S)をはじめとするドイツの中堅ソリストの歌唱にもご注目ください。

前半に登場するヒンデミットの《気高い幻想》も、宗教的な素材を扱っています。アッシジの聖フランチェスコを題材としたバレエ音楽ですが、ここでは作曲家自身によるオーケストラ組曲版で演奏されます。ベルリン・フィルでは1949年に初めて演奏されましたが、この時はヒンデミット自身が指揮しました。

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