コンサート解説
2011年のザルツブルク・イースター音楽祭では、リヒャルト・シュトラウスの《サロメ》がサー・サイモン・ラトルの指揮で演奏されましたが、その前にベルリンでも2回、演奏会形式で取り上げられました。今回は、アメリカ人ソプラノのエミリー・マギーが主演。彼女は、90年代にベルリン国立歌劇場を中心に活躍した後、現在はチューリヒ歌劇場で高い評価を獲得しています。近年、リヒャルト・シュトラウスで大きな成功を収めており、今回のサロメ役も国際的な注目を集めています。
ラトルにとっては、70年代にカラヤンが同じくザルツブルクで取り上げ、大成功を収めた作品だけに、力の入るところ。同時にベルリン・フィルの華麗な演奏能力も、万華鏡のようなオーケストレーションには打ってつけ。現在ベスト・コンディションにある彼らが、得意のシルキー・サウンドを聴かせています。