コンサート

コンサート解説

「不幸なことに、指揮者にはこういうことがよく言われます。例えば、イタリア人の指揮者だったら、まずイタリア音楽のレパートリーを上手に振れるだろうと。ロシア人やドイツ人についても同様です。それは一体なぜでしょう?私にはもちろん、深い思い入れを持つロシア音楽の作品がありますが、ブラームスやR・シュトラウスにもまったく同じことが言えます」とトゥガン・ソヒエフは語ります。そのソヒエフによるオール・フランス・プログラムです。

フォーレの《ペレアスとメリザンド》組曲は、メーテルリンクの同名の戯曲からインスピレーションを受けて書かれた劇付随音楽が元になっています。後にフォーレは〈シシリエンヌ〉と〈メリザンドの歌〉を加えて組曲の最終版を完成させました。今日ではフォーレの中でもっともよく演奏される曲のひとつとして知られ、もともとの劇付随音楽が上演に加えられることもあります。

続くラヴェルのピアノ協奏曲はエスプリの妙味にあふれ、ジャズからの影響も見られるなど、多彩な魅力を持つ作品です。ここではフランス人ピアニストのジャン=イヴ・ティボーデのソロが洒脱さを見せています。メインの演目はフランクの交響曲ニ短調。仏系交響曲としては、ほぼ唯一スタンダード・レパートリーとして定着した名作です。古くはフルトヴェングラーが好んで指揮したように、循環形式による緊密な構成でも知られています。

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