コンサート

コンサート解説

ブラームスは、12年以上の作曲期間を経て1876年に交響曲第1番を初演させた後、交響曲第2番の構想に入りました。1877年夏、休暇で訪れたヴェルター湖畔のペルチャッハで作曲を始めたときのことをこう記しています。「この美しい地にはメロディーがたくさん飛び交っています。それを踏みつぶしてしまわないように注意しなければなりません」。こうして生まれた交響曲第2番は、ニ長調という調性の性格もあり、第1番に比べて牧歌的で伸びやかな音楽になっています。わかりやすく親しみやすい要素の一方、ブラームスがここで対位法的な技術の粋や新しい手法による動機の発展など、新しい技法を用いていることも注目に値します。

交響曲第2番の初演から56年後の1933年、十二音技法の創設者のシェーンベルクが「新しい音楽の発展はブラームスの影響なしにはありえなかった」というテーゼを発表し、世間を驚かせました。今回、サー・サイモン・ラトルがブラームスの交響曲第2番とシェーンベルク、さらにその弟子にあたるベルク、ヴェーヴェルンの「管弦楽のための小品」を指揮しています。かつてヘルベルト・フォン・カラヤンがその全盛期に録音し、ファンの間では彼の代表作とみなされていますが、ここでもベルリン・フィルならではのヴィルトゥオジティと華麗な音響美が光ります。ブラームスと新ウィーン楽派の3人の作曲家を並べて演奏することで、シェーンベルクが「発展的変奏」と呼んだブラームスの音楽の革新的な要素も浮かび上がってくることでしょう。

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