コンサート

コンサート解説

ジングシュピール、魔法が出てくる軽喜劇、民衆劇、神秘劇、教訓劇、寓話...。モーツァルト最後の舞台作品は、多種多様な演劇の伝統に分類されます。それも故なきことではありません。この作曲家と親しかった俳優・興行主のエマヌエル・シカネーダーによる台本は、さまざまな出典の寄せ集めだったからです。クリストフ・マルティン・ヴィーラントの童話劇集《ルル、またの名、魔笛》、パウル・ヴラニツキーのオペラ《オベロン》、そしてエジプトを舞台にしたアベ・ジャン・テラソンの小説《セトス》ほか、多様な作品を手本として書かれました。

《魔笛》の3ヶ月前に初演されたオペラ《ファゴット吹きカスパー、または魔法のツィター》が、シカネーダーが構想する内容と大部分がかぶっていたため、彼はドラマ上の路線変更を余儀なくされます。しかし、このつじつまの合わない台本さえも、モーツァルトは味方に付けたのです。リヒャルト・ワーグナーは、《魔笛》についてこう語っています。「モーツァルトは風変わりな土台の上に作曲したが、ここにはもっとも大衆的な歌から荘重な賛歌まで、何と神々しい魔法が吹いていることだろう。何という多彩さ!」

サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィル、そして国際的に著名なソリストによる今回の《魔笛》公演は、オペラ・ファンのみならず、2012/2013年シーズンのハイライトの一つと呼べるものです。 

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