コンサート

コンサート解説

セミヨン・ビシュコフの定期演奏会のプログラムを見えない線で結ぶのは、ブラームスです。同時代人のブラームスについて、ブルッフはこのような予言めいた言葉を残しています。「ブラームスの没後10年が経ったいま、優れた愛好家や評論家でさえも彼のことを悪く言う人がいる。だが、時が経つにつれてブラームスの評価はますます高まり、私の作品の大半は忘れ去られていくだろう。50年後、ブラームスの真価はあまたに知れ渡るだろうが、私の作品で人々の記憶に残るのはヴァイオリン協奏曲第1番だけだろう」と。そして「しかし他のコンチェルトも、少なくとも同様に良い曲なのに」と語っているのです。そのひとつが、この2台のピアノのための協奏曲。上演の機会が極めて珍しいこの協奏曲のソロを、カティア&マリエル・ラベック姉妹が受け持ちました。

一方ドヴォルザークはブラームスが特に高く評価した作曲家。今回は交響曲第7番が上演されました。もう1曲、ブラームスの関連で選ばれたのが、1960年生まれの作曲家グラナートの《はるかなる土地》。グラナートは2013年に作曲したこの管弦楽のための幻想曲で、ブラームスの交響曲第4番の冒頭を引用しています。「ビシュコフはオーケストラの爆発的な力を制御し、適切な節度を守った。特にコンサートマスターの樫本大進を中心とする高弦が、その存在感と正確さ、明晰さにおいて輝きを放っていた」(『デア・ターゲスシュピーゲル』紙)と評されたコンサートをお聴きください。

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