ドキュメンタリー

概要

2014年1月、ピアニストのメナヘム・プレスラーは、実に90歳でベルリン・フィルにデビューを果たしました。驚くべきはその年齢だけでなく、彼の比類なき音楽性でした。柔らかいレガート、息をのむようなピアニッシモ、語るようなアーティキレーションなど、どれもが別の世界から来たような趣きを放っていたからです。そのとき客席にいたサイモン・ラトルは、躊躇せずにプレスラーをベルリン・フィルのジルベスターコンサートに招待し、同年末に両者の共演は実現したのでした。

プレスラーは1923年、ドイツ・マグデブルクのユダヤ人家庭に生まれました。ナチスの迫害を逃れて1939年両親とパレスチナに亡命し、やがて彼はアメリカに移住。1955年にはボザール・トリオを結成し、20世紀最高のピアノ三重奏団のピアニストとして、2008年に解散するまで活動を続けました。プレスラーのソロのキャリアはそこから始まったのです。

このドキュメンタリー作品は、過去ではなく、「いまここに」生きている一人の音楽家の姿を克明に伝えています。チャーミングな人柄を見せる一方、高いレベルの音楽を求めるためには自己や他の音楽家に対して妥協を許さない厳しい姿勢も覗かせます。ダニエル・ホープなど同僚とのインタビューやマイスターコースからの抜粋は、音楽と人生への深い愛情がメナヘム・プレスラーの生きる源になっていることを実感させてくれるでしょう。

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