コンサート

コンサート解説

プロコフィエフがヴァイオリン協奏曲第1番を作曲したのは、彼が「ハイドン風」の古典交響曲を書いた頃でした。ほぼ同時期に生まれたこの協奏曲は夢幻的な導入部を持ちますが、やはり古典音楽の響きに影響を受けたものと見ることができるでしょう。ヴァイオリンのソロを担うのは、第1コンサートマスターの樫本大進。非ロマン的な性格と精妙な響きを併せ持ったこの作品をどのように披露したでしょうか。

プロコフィエフの協奏曲の前後に、ロマン派を代表するシューマンの2つの交響曲が並びます。交響曲第1番《春》は、アドルフ・ベドガーの詩に霊感を受けて書かれたといわれ、「人々を自分の過去へと誘い、年が巡る度に驚きをもって喜ばせる、春への強い思いの中で書いた」とシューマンは語っています。1841年3月31日、メンデルスゾーンの指揮により行われたこの作品の初演は輝かしい成功を収め、シューマンは続けてニ短調の交響曲を書き上げました。これが、改訂後の1853年に出版された関係で第4番作品120として知られる作品です。どちらの版が優れているかについては、今日でも意見が分かれるところですが、サー・サイモン・ラトルは上演が稀な1841年の初稿版を選びました。その透明な響きから、ブラームスも初稿版を好んでいたと言われています。後半のシューマンの交響曲第4番以外、同年11月の日本ツアーと同プログラムの当公演をどうぞお楽しみください。

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