コンサート

コンサート解説

ゲーテの『ファウスト』の音楽化は、これまで多くの作曲家によって行われてきました。その一つ、1844年から1853年にかけてローベルト・シューマンが作曲したゲーテの『ファウスト』からの情景は、今日に至るまでコンサートで上演される機会が稀で、いまだその真価が認められているとは言いがたい作品です。シューマンは当初オペラとして作曲するつもりでしたが、原作の巨大な内容からそれを断念。実に9年をかけて完成させたのは、劇音楽とカンタータ、世俗的オラトリオの要素を併せ持つ類のない大作でした。

この公演を当初指揮する予定だったニコラウス・アーノンクールは、シューマンの『ファウスト』からの情景を「音楽史でもっとも偉大な作品のひとつ」と賛辞を惜しみません。残念ながらアーノンクールは当公演をキャンセルせざるを得なくなり、代わりに10月の定期演奏会でマーラーの交響曲第10番を成功に導いたダニエル・ハーディングが指揮を担います。ハーディングは、すでにこの曲を振った経験のある数少ない若手指揮者のひとりで、先シーズンにはバイエルン放送響で取り上げました。

今回の上演では、ファウスト役にアーティスト・イン・レジデンスのクリスティアン・ゲルハーヘル、グレートヒェン役にドロテア・レシュマン、メフィスト役にルカ・ピサローニという万全のキャスティングが揃いました。

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