コンサート

コンサート解説

若手指揮者のアンドリス・ネルソンスがベルリン・フィルを指揮しました。ネルソンスは、2010年のデビュー公演で成功を収めて以来、ベルリン・フィルとは定期的に共演を重ねてきました。前半の演目は、オーストリア人作曲家、HKグルーバーのトランペット協奏曲《エリアル》。1999年にロンドンで初演されたこの協奏曲は、グルーバーによると、空中からの2つの眺めを扱っています。エミリー・ディキンソンの「嵐の夜」という詩をモチーフにしたオーロラの下の想像上の風景に続き、「Gone Dancing」というタイトルを持つ後半では、別の惑星から臨むかのような眺めが描かれます。ジャズとダンス音楽の間を揺れ動くこのファンタジー豊かな作品のトランペットソロを、初演者でもあるハーカン・ハーデンベルガーが担っています。

コンサートの後半はマーラーの交響曲第5番。この作品が1904年にケルンで初演された当時、作曲家は「これは誰にも理解できない、呪われた作品だ」と不満を言葉にしましたが、今日ではマーラーの作品の中で特に頻繁に演奏される人気曲の一つです。中でも第4楽章のアダージェットは、ルキノ・ヴィスコンティ監督による映画《ベニスに死す》に使われたことで世界的に知られるようになりました。ネルソンスとベルリン・フィルがマーラーの交響曲を共演するのは今回が初めてですが、出来映えはまさに圧倒的。近年のベルリン・フィルの演奏会でも、オケの演奏能力が120パーセント発揮された名演となっています。とりわけシュテファン・ドールのホルン・ソロは、この楽器で吹いているとは思えないほどの超絶的な安定度。改めてベルリン・フィルの凄さを実感させられます。必見です! 

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