コンサート

コンサート解説

2015/16年シーズンのハイライトのひとつ、サー・サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルによるベートーヴェンの交響曲ツィクルスの第1弾。交響曲第1番と第3番《英雄》が演奏されていますが、1799年から1800年にかけて作曲された第1番は、ハイドンの後期の交響曲をモデルとしたもの。ベートーヴェンは冒頭でいきなり属七の不況和音を用い、それまでの交響曲にない緊張感に満ちた序奏を生み出しました。彼は新しい世紀の始まりにあたり、この最初の小節で交響曲というジャンルを新しく書き替えようとしたかのように見えます。

続く第3番《英雄》は、第1番が書かれたわずか5年後の作品であるにも関わらず、音楽の深度において驚くべき飛躍が見られます。もともとフランス革命後のナポレオンを讃える作品として書かれた曲ですが、同じベートーヴェンの後の作品《ウェリントンの勝利》のような戦争交響曲のジャンルには属さず、むしろモーツァルトの同時代人のパウル・ヴラニツキーの交響曲《フランス共和国との和平に》(1797年)に似た、ある世界観の表明という志向が強く感じられます。特定の政治上のコンテクストから解き放たれ、普遍的な意義の獲得に成功した作品といえるでしょう。2016年5月に東京でも披露されたラトル指揮ベルリン・フィルのベートーヴェン・ツィクルスを、ぜひご覧ください。

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