コンサート

コンサート解説

ウィーン出身のピアニスト、ティル・フェルナーは、作品への真摯な姿勢とその研ぎすまされた表現において高い評価を得ています。アルフレート・ブレンデルに学んだフェルナーは、2011年ベルリン・フィル主催の室内楽演奏会でヴァイオリニストのコーリー・セロセック、チェリストのアドリアン・ブレンデルとハイドンとベートーヴェンのピアノトリオを演奏し、ウィーン古典派のスペシャリストとしての実力を証明しましたが、ベルリン・フィルとの共演は今回が初となりました。演目はモーツァルトのピアノ協奏曲第25番。1786年の待降節に、モーツァルトが自身が出演する演奏会に合わせて書いた作品です。第1楽章は当時としては異例の長さで、交響曲のように雄大な楽想を持つことで知られています。

若手のフェルナーに対し、指揮を務めるベルナルド・ハイティンクは1964年以来ベルリン・フィルと密接な結びつきを持つ大ベテランです。ハイティンクはこれまでブルックナーの交響曲を度々指揮してきましたが(最近では2014年3月にベルリン・フィルと交響曲第4番を共演しています)、今回の交響曲第9番は、ベルリン・フィルとは過去に一度(1989年5月)共演したことがあるだけです。「愛する神に」捧げられた未完のこの大作は、初演当時から同じニ短調という調性ゆえ、ベートーヴェンの交響曲第9番と結びつけられてきました。混沌の中から始まる第1楽章は、現代音楽の扉を開いた革新性をも有しています。円熟の極みにあるハイティンクの指揮でどうぞお聴きください。

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