コンサート

コンサート解説

サー・サイモン・ラトル指揮による今回のフランス・プログラムでは、20世紀初頭に生まれた音楽がテーマとなります。メインとなるのは、ラヴェルの《ダフニスとクロエ》全曲。1909年、ロシア・バレエ団を率いるセルゲイ・ディギレフは、2世紀から3世紀頃の古代ギリシャで書かれた牧歌的な叙事詩を題材にした新作のバレエ音楽をラヴェルに依頼しました。「私の意図していたのは音楽による大フレスコ画を作曲することで、古代の模倣を心がけるよりも、私の夢の中にあるギリシャを忠実であろうとしました。18世紀末のフランスの画家が想像し、描いたように」とラヴェルは語っています。結果的に、色彩の豊かさと交響曲的な緊密さを兼ね備えたバレエ音楽史上の代表作が生まれたのでした。ラトルはこの曲をかねてから得意とし、特にオーケストラによる第2組曲は頻繁に取り上げてきましたが、今回久々に全曲を披露します。

前半のプーランクの合唱カンタータ《人間の顔》は、フランスがドイツの占領下にあった1943年、ポール・エリュアールの詩を題材に自由への願いを込めて書かれた作品で、この作曲家の最高傑作のひとつと評されています。もう1曲は、プーランクの師にあたるシャルル・ケクランの《レ・バンダール=ログ》(猿のスケルツォ)。英国人作家ラドヤード・キップリングの《ジャングル・ブック》から啓発を受け、猿の群れをテーマにしたユニークな作品です。これらの多彩な音楽をベルリン放送合唱団との共演でお楽しみください。

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