コンサート

コンサート解説

「あなたのレクイエムを聴いて私の心はすっかり満たされました」。クララ・シューマンはドイツ・レクイエムを聴いた後の熱い思いをブラームスにこう書き伝えました。ブラームスのドイツ・レクイエムは、それまで一般的だったカトリック教会での典礼音楽としてではなく、ルター聖書からの自由な引用を基礎にした合唱カンタータの性格が色濃い作品です。そこでは、生と死、悲しみと慰め、無常と変容といった対立的な概念の間を揺れ動きます。カトリックのラテン語のテキストでは主となる代願の祈りも、キリストによる救済もここでは省かれていますが、それだけに宗派を超えた包容力を持つ作品と言えるでしょう。今回客演したのは若手指揮者の雄ヤニック・ネゼ=セガン。ネゼ=セガンはこれまではつらつとした音楽性で注目を集めてきた指揮者ですが、ここではこの晦渋な名曲を彼独自のスタイルで聴かせています。ソプラノのハンナ=エリーザベト・ミュラーは、最近メトロポリタン歌劇場にデビューした新鋭。高い芸術性が求められるバリトンパートは、オーストリア出身の歌手マルクス・ヴェルバが担っています。

前半の演目、C・P・E・バッハが1776年に作曲したモテット「聖なるかな」も、ミサのサンクトゥスをドイツ語で作曲したもの。2017年は宗教改革500周年に当たりますが、ここではカトリックとプロテスタントの両方の要素を持った作品が扱われています。

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