コンサート

コンサート解説

ラトルの首席指揮者としての最終シーズンは、ハイドンのオラトリオ《天地創造》でスタートしました。この作品は、この作曲家の最高傑作に数えられますが、ハイドン指揮者として知られるラトルがベルリンで指揮するのは初めてです。

1798年4月30日、ウィーンのシュヴァルツェンベルク侯爵邸にて招待客を前に行われた《天地創造》の初演は大成功を収め、5月7日と10日にも追加上演が行われました。その約1年後の1799年3月19日、ブルク劇場にて皇帝臨席のもと、初の公開上演が開催されることになります。ハイドンは「各曲の関連性が損なわれる」ことを理由に「アンコール演奏は行わない」と上演前に告知しましたが、これが功を奏し、聴衆は高い集中力で演奏に集中したといいます。結果、ここでもセンセーショナルな成功をもたらし、作品の総譜はたちまちヨーロッパ中に広がってゆくのでした。

作品は混沌の描写から始まり、世界の生成が描かれます。そこで聴けるレチタティーヴォ「光あれ」での有名な日の出の場面では、わずか10小節の間に、個々の音がフルオーケストラによる輝かしいニ長調の和音へと発展し、壮大な効果を作り出します。その影響力は今日においても失われていません。
 
ソリストには、アーティスト・イン・レジデンスのマーク・パドモア、ラトルの公演でお馴染みのフローリアン・ベッシュの他、新人エルザ・ドライスィヒが代役登場。一度もこの曲を歌ったことがなかったにも関わらず、燦然たる歌唱を聴かせ、大きな話題を呼びました。冒頭のゲオルク・フリードリヒ・ハースの新作は、当シーズンにラトル指揮で連続初演される「タパス・シリーズ」の第1弾。作曲の条件は、「8分以内」となっています。

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