コンサート

コンサート解説

2010年10月、カナダ人指揮者のヤニック・ネゼ=セガンがベルリン・フィルの定期演奏会にデビューした際、ベルリンの新聞は「指揮者界の新星による記憶に残る夕べ」と讃えました。彼は現在、ロッテルダム・フィルの音楽監督、ロンドン・フィルの首席客演指揮者、フィラデルフィア管音楽監督など名だたるオーケストラの重責を務めています。

メインに選ばれた演目は、マーラーの交響曲第4番。「角笛交響曲」の最後を飾る作品です。第2番《復活》、第3番という記念碑的なスケールを持つ前作に比べて、この第4番では明確に規模と編成が縮小され、軽快で親密な曲想を持っています。オーケストレーションも比較的簡素で、譜面に記された「非常に落ち着いて」「非常に心地よく」などの指示は、演奏家に過度な感情表現をしないよう促しています。とはいえ、マーラーの音楽の二面性はここにも見られ、牧歌的な音楽に奈落の気配が顔をのぞかせるなど、雰囲気の突然の変化も随所に聴き取ることができるでしょう。ソプラノのクリスティアーネ・カルクが「天上の生活」を歌うフィナーレにもご注目ください。

前半に演奏されたのは、ライプツィヒで活躍したドイツ・ロマン派の作曲家カール・ライネッケのフルート協奏曲。40年以上に渡って当団の首席奏者を務めてきたアンドレアス・ブラウが、作品にふさわしい重厚で華麗なソロを披露しています。

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