コンサート

コンサート解説

アンネ=ゾフィー・ムターの華麗なキャリアは、ベルリン・フィルと密接に結びついています。1977年、ヘルベルト・フォン・カラヤンに見出されたムターは、弱冠13歳でザルツブルク精霊降臨祭音楽祭にて初めて当団と共演し、翌年にはカラヤンの指揮でベルリン・フィルハーモニーにデビューを果たします(演目はモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番でした)。それ以降、当団とはベートーヴェン、ブルッフ、メンデルスゾーン、ブラームス、ドヴォルザークなどの名だたる協奏曲、さらにはルトスワフスキやグバイドゥリーナといった現代作品を共演してきました。

2015年の大晦日を彩るジルベスター・コンサートでムターが披露したのは、サン=サーンスのスリリングな作品《序奏とロンド・カプリチオーソ》とラヴェルの《ツィガーヌ》。後者はパガニーニのヴィルトゥオーゾ作品に接近して書かれた曲で、いわゆる「ジプシー音階」を用いることでエキゾチックな雰囲気と濃厚な表現を作り出しています。ムターの妖艶な演奏をお聴きください。

サー・サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルによる残りのプログラムは、2015/16年シーズンのフランス音楽特集を反映したラインナップになっています。オッフェンバックのオペレッタの伝統に立つシャブリエの喜歌劇《エトワール》序曲、マスネのオペラ《ル・シッド》からのバレエ組曲、そして1920年代のサロンの気分が表現されたプーランクのバレエ組曲《牝鹿》。ディアギレフ率いるロシア・バレエ団に書かれた《牝鹿》は、プーランクの出世作となりました。コンサートを締めくくるラヴェルの《ラヴァルス》はかねてよりラトルが得意とするピースであり、シャンパンのように泡立ちはじける音楽はまさに新年を迎える直前にふさわしいものといえるでしょう。

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