コンサート

コンサート解説

日系アメリカ人指揮者のアラン・ギルバートがベルリン・フィルに客演しました。今シーズンの客演ではまずコンポーザー・イン・レジデンスのジョン・アダムズの作品を2曲指揮します。《ショート・ライド・イン・ア・ファスト・マシーン》は、活気あふれるリズムと明るいオーケストレーションが全体を支配し、まるで「ファースト・マシーン」(すなわちスポーツカー)に乗りながら浮遊感さえもが感じられる作品です。もう1つの管弦楽のための《ロラパルーザ》は、サイモン・ラトルの40歳の誕生日に際して書かれた音楽。次々と層をなして重なるモチーフと複雑なリズムが、ホールを揺り動かします。

バルトークのヴァイオリン協奏曲第2番では、フランク・ペーター・ツィンマーマンがソロを担当しています。近年巨匠と呼びうる風格を獲得し、ベルリン・フィルにも頻繁に客演しているツィンマーマンだけに、叙情性豊かでヴァイオリン協奏曲の傑作のひとつに数えられるこの作品に新たな光を当てています。メインの演目はチャイコフスキーの交響曲第4番。当時の著名な音楽評論家、ゲルマン・ラローシは、「悲劇とバレエのようなリズムの無頓着さを結びつけることに成功した」と評しました。チャイコフスキー自身は、管楽器による冒頭の威嚇的なファンファーレを指して、「これはわれわれの幸福への努力を妨げようとする決定的な力であり、運命なのです」と述べています。ここではギルバートのダイナミックな指揮に魅了されます。

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