コンサート

コンサート解説

2016年までライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のカペルマイスターを務めたリッカルド・シャイーを、イギリスの『ガーディアン』紙は「偉大と呼ぶに値する数少ない現役指揮者の中に入るだろう」と評しました。そのシャイーのキャリアにおいて、重要な役割を担ってきた作曲家がブルックナーです。1980年代半ばから彼は全交響曲を録音し、恍惚感よりはむしろ、引き締まった力感を全面に出したその演奏に批評家は賞賛を惜しみませんでした。この演奏会で取り上げられた交響曲第6番は、ブルックナーの交響曲の中では比較的小規模ながら、エネルギーが凝縮された魅力的な作品。シャイーの音楽的アプローチにとりわけぴったりの作品と呼べるかもしれません。

自身ゲヴァントハウス管弦楽団の指揮者だったフェリックス・メンデルスゾーンもまた、シャイーが積極的に取り上げてきた作曲家です。メンデルスゾーンは、《イタリア》の愛称で知られている交響曲第4番について、「私がこれまで作曲した中で、もっとも愉快な作品」と記しています。これは、ブルックナーが第6交響曲のことを「極めて威勢のいい」と自身で特徴付けていることと類似をなしており、興味深いカップリングと言えるでしょう。イタリア出身のシャイーだけに、作品の雰囲気に合致した生気に富んだ演奏が期待できます。なお、シャイーがベルリン・フィルの定期演奏会に登場するのは、2001年以来久々のことでした。

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