コンサート

コンサート解説

2006年2月のベルリン・フィル・デビュー以来、アラン・ギルバートはバッハからドヴォルザーク、リンドベルイ、アダムズに至るまで、幅広いレパートリーを披露してきました。当演奏会のプログラムも、3つの異なる時代の作品によって構成された興味深い内容になっています。

トーマス・アデスは現代イギリスを代表する作曲家で、ベルリン・フィルではサイモン・ラトルがその作品を数多く取り上げてきました。今回演奏される「クープランによる3つの習作」は、フランス・バロックを代表するクープランのチェンバロ曲に斬新な手法でオーケストレーションを施した作品。イギリス、フランス、スペインの民族舞踏や童謡から啓発を受けて書かれたドビュッシーの《映像》では、この印象派の巨匠ならではの音言語により、それぞれの国の印象が雰囲気豊かに描かれています。

2つの作品の間に演奏されるモーツァルトのクラリネット協奏曲は、当演奏会のハイライトと言えるでしょう。モーツァルトが当時まだ新しい楽器だったクラリネットの協奏曲を、友人の奏者アントン・シュタードラーのために書いたことはよく知られています。モーツァルト最晩年の作品だけに、全体が天国的なまでに澄み切っており、当時のある批評家は「クラリネットがこれほど人間に近い声を模倣できるとは思わなかった。心ある者ならばこの楽器の柔らかく、愛らしい響きの魅力に誰も抗えないだろう」と讃えました。1993年から当団の首席奏者を務めている名手ヴェンツェル・フックスのソロでお楽しみください。

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