コンサート

コンサート解説

当演奏会は、「ラトル時代」をひと晩に縮小して伝えるプログラムのひとつと言えます。過去16年においてラトルは、ブラームスに重点を置き、この作曲家の作品を繰り返し取り上げてきました。彼のもっとも大きな成果のひとつには、2008年のブラームス交響曲全曲演奏会(およびそのCD録音)が数えられるでしょう。一方、現代作曲家と新作の初演は、彼がベルリン・フィルで徹底して実現してきたことです。それゆえ、現代作品の古典とも呼ぶべきルトスワフスキの交響曲第3番、イェルク・ヴィットマンの新曲が取り上げられるのは、「最終章」に実にふさわしい処置と呼べます。

ルトスワフスキの交響曲第3番は、若きラトルを魅了した作品でもあります。「初めて聴いたとき、すぐにこれは傑作だと思いました。一種のオーケストラのための協奏曲で、時間の自由な感覚とともに進みます」と彼は語ります。この交響曲はシカゴ交響楽団の委嘱作品として、10年間の作曲期間を経た後の1983年、サー・ゲオルク・ショルティの指揮で初演されました。ルトスワフスキの作曲スタイルは、第2次世界大戦後のポーランドで定着した前衛音楽に刻印され、彼が発展させた「管理された偶然性」はこの交響曲第3番でも生かされています。ベルリン・フィルでは、1985年にルトスワフスキ自身の指揮でこの曲を上演しています(彼は1978年から85年の間、ベルリン・フィルと複数回にわたって自作で共演しました)。

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