コンサート

コンサート解説

20世紀と21世紀の多くの作曲家にとって、音楽における空間性は重要なテーマであり続けています。ジェルジュ・リゲティが常に「空間を想起させること」を意識して作曲に励んだと語っているのも、理由なきことではありません。ベルリン・フィルハーモニー竣工50周年のガラ・コンサートでは「空間音楽」をテーマに、サー・サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルが16世紀のガブリエーリからヴォルフガング・リームの委嘱作品まで多彩な音楽を披露しました。

16世紀のヴェネツィア楽派ではすでに、2つのオルガンが向かい合う構造のサン・マルコ大聖堂が多種多様な空間音楽の可能性を提供していました。ジョヴァンニ・ガブリエーリの作品はそのような環境で書かれたものです。レイフ・ヴォーン・ウィリアムズの 《トマス・タリスの主題による幻想曲》は、3群に分かれた弦楽合奏の編成で書かれており、聴き手は教会内部の音響効果と共に、音楽史における遠い過去の章を想起することになるでしょう。

後半では、ベートーヴェンの有名なピアノソナタ第14番《幻想曲風に》(通称「月光ソナタ」)の第1楽章が内田光子によって、そしてジェルジ・クルタークの空間作品《...幻想曲風に…》が内田とベルリン・フィル・オーケストラ・アカデミーとの共演により演奏されます。最後はベルリオーズの記念碑的な大作《葬送と勝利の大交響曲》。各楽器を空間に配し、想像上のシーンを作り上げたこの作品によって、ハンス・シャロウン設計によるベルリン・フィルハーモニーの記念年を祝います。 スペクタクルなガラ・コンサートをお聴きください。

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