ティーレマンのブルックナー「第7」、ブッフビンダーのベートーヴェン
クリスティアン・ティーレマンが、ブルックナーの交響曲第7番を指揮しました。これまでベルリン・フィルでは、交響曲第4番《ロマンティック》と第8番を取り上げてきましたが、今回の第7番も圧倒的な出来を示しています。指揮者とオーケストラが真剣勝負で対峙し、高い集中力と技術的完成度を達成。ティーレマンならではの、「泣く子も黙る」内容です。前半では、2016年秋に70歳の誕生日を迎えたルドルフ・ブッフビンダーがベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番を演奏しています。
アントン・ブルックナーが当代随一のオルガニストだったことはよく知られています。もっとも、彼は名声を享受する一方、自身の待遇には不満を抱いていたようで、1864年にこのように記しています。「オルガニストの報酬は常に悪い。私はこのためにあくせく働く意欲と時間がないのです」。その4年後、彼は交響曲第1番を発表しますが、交響曲作家として成功を収めるまでに実に20年近くを要しました。1884年12月、ライプツィヒで行われた交響曲第7番の初演が成功裡に終わると、その後のミュンヘンとウィーンでの上演がブルックナーにさらなる名声をもたらすことになります。この第7番は美しいメロディの息吹と色彩豊かなオーケストレーションにより、彼の交響曲の中でもっとも愛好され、演奏頻度の高い作品の一つです。クリスティアン・ティーレマンは、これまでベルリン・フィルとは交響曲第4番《ロマンティック》と第8番を取り上げてきましたが、今回の第7番も圧倒的な出来。指揮者とオーケストラが真剣勝負で対峙し、高い集中力と技術的完成度を達成しています。
前半では、2016年秋に70歳の誕生日を迎えた巨匠、ルドルフ・ブッフビンダーがベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番を演奏しています。1795年にウィーンで産声を上げたこの作品は、時として即興的な雰囲気のパッセージが使われるなど、即興演奏の名手として知られたベートーヴェンの腕の冴えが随所に見られます。
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