
ユジャ・ワンがベルリン・フィル・デビュー、指揮はパーヴォ・ヤルヴィ

2015年5月16日
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
パーヴォ・ヤルヴィ
ユジャ・ワン
ローベルト・シューマン
序曲、スケルツォとフィナーレ (18分)セルゲイ・プロコフィエフ
ピアノ協奏曲第2番ト短調 (35分)ユジャ・ワン(ピアノ)
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
ピアノソナタ第11番イ長調より第3楽章(ファジル・サイ/アルカディ・ヴォロドス編曲) (4分)ユジャ・ワン(ピアノ)
ディミトリ・ショスタコーヴィチ
交響曲第1番へ短調 (40分)- 無料映像
ユジャ・ワン(聞き手:アンドレアス・オッテンザマー) (16分)
2013年、中国人ピアニストのユージャ・ワンはベルリン・フィルの主催によるデビューリサイタルを行ない、目が覚めるような卓越したテクニックと響きのニュアンス感覚を聴衆に披露しました。そのワンが今回ソリストとしてベルリン・フィルと初共演を果たしました。演目はプロコフィエフのピアノ協奏曲第2番。ヴィルトゥオーゾ風の色彩の鮮やかさと音楽的な深みが合わさったこの作品を、若きピアニストが鋭敏な感性で弾ききっています。
指揮者のパーヴォ・ヤルヴィは、2013年4月の客演で久々にベルリン・フィルにカムバックし、話題を集めました。今回指揮したショスタコーヴィチの交響曲第1番は、作曲家が19歳のときにレニングラード音楽院の卒業制作として書いたものです。プロコフィエフを手本にした跡が見られるこの作品には、反抗的な笑いと激情とが同居し、すでに後年のショスタコーヴィチの創作の特徴を見て取ることができます。1926年、ニコライ・マルコの指揮によって初演された本作は大成功を収め、ショスタコーヴィチは交響曲の新たな歴史を切り開いていくことになりました。交響曲の新しい形を試みたという意味では、シューマンの「序曲、スケルツォとフィナーレ」についても当てはまります。彼は当時流行していた「浅薄な序曲スタイル」に対抗する形で、この佳作を書き上げたのでした。シューマンにも熱い想いを寄せるヤルヴィの鋭敏な解釈でお聴きください。
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