コンサート

コンサート解説

晩年のレオシュ・ヤナーチェクが《利口な女狐の物語》の主題と出会うのは、彼の家政婦が当時ブルノの新聞に連載されていた絵物語をヤナーチェクに紹介したのがきっかけでした。その頃ヤナーチェクはオペラ《カーチャ・カバノヴァ》の作曲の最中でしたが、ルドルフ・ティエスノフリーデクの原作とスラニスラフ・ロレクの愛らしいイラストに音楽を付け、オペラ化することを即座に決めたのでした。

第1幕では、門番に捕えられた子供の女狐ビストロウシュカが、動物だけでなく、人間の人生を学ぶ機会を得ます。そこから逃亡した女狐は、第2幕で森の動物たちの間で毅然と振るまい、雄狐と恋に落ちます。女狐は子宝にも恵まれますが、最終幕では行商人の銃弾に倒れてしまいます。しかし、翌春、森番は森を歩いているときに「母親の面影のある」女狐の子供に出会い、死と再生を繰り返す自然の輪を実感させながら感動的に幕を閉じるのです。

サイモン・ラトルにとってこの《利口な女狐の物語》は、1977年にグラインドボーン音楽祭に最年少でデビューした際に指揮するなど、彼のキャリアを決定付けた重要なオペラと言えます。今回の上演は、バッハのマタイ受難曲を始めとして、これまでベルリンでいくつもの話題作を届けてきたピーター・セラーズの演出。2013年にエコー賞を受賞したヴォカール・コンソート・ベルリンの合唱、さらに選りすぐりの歌手陣との共演によりお聴きください。

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